バイオフィリックデザイン(Biophilic design)とは、植物などの自然を取り入れた建築設計のことです。
植物に囲まれ自然を感じられる空間では、PC作業による目の疲れやオフィスワークからくるストレスを低減することが科学的にも立証されていることから、バイオフィリックデザインは、日本だけでなく世界の先進的な企業のオフィスで取り入れられています。
私たちヒキダシ|GREEN COMPANYも、バイオフィリックデザインを取り入れた空間デザインを行なっています。
豊富な専門知識と培われたノウハウでオフィス環境を一新し、より快適な仕事空間を創造することで、従業員のモチベーションとパフォーマンスの向上に繋げ、人材獲得にも貢献します。
バイオフィリックデザインのオフィス導入メリット
バイオフィリック・デザインとは、人間が本来持っている自然への愛(バイオフィリア)に着目して、働く場所や生活する場所に自然が感じられるようにする空間デザインです。
急激に進む都市化により、人間と自然とのつながりはますます少なくなっています。
休日に緑豊かな自然を求める人が多くなっているのも、そのせいかもしれません。
バイオフィリックデザインでは、オフィス環境に植物や自然光、天然素材などの自然の要素を取り入れることで、人間と自然とのつながりをふたたび取り戻します。
バイオフィリックデザインを導入することで、生産性向上や癒しなど、様々なメリットがあることが科学的に示されています。
例えば、植物があるオフィスでは、植物がないオフィスよりも
- 精神的ストレスが低くなる
- 心拍数が低くなる
- 知的生産性が改善される
という効果があることが、豊橋技術科学大学の松本教授らによる研究から判明しました。
オフィスにおける観葉植物によるメンタルヘルスケアと知的生産性の向上 – 松本博 (2015年屋内緑化レポートVol2)
また、窓から自然の景色が見えると、無機質な風景に比べて
- 従業員の欠勤が減る
- 疾病リスクが下がる
- 心身の疲労回復をサポートする
など、働く人の癒しになることも海外の研究から判明しています。
Wolf K, Krueger S, Flora K. Work and Learning – A Literature Review. Green Cities Good Heal. 2014
このような健康上のメリットから、GoogleやAmazonなどの先進的企業でもバイオフィリック デザインは導入されています。
バイオフィリックデザインのオフィス事例
先進的な企業では、オフィスにバイオフィリックデザインを取り入れている事例が増えています。
Google(スイス・チューリッヒ)
誰もが知る世界企業のGoogle。
スイスのチューリッヒにあるGoogleオフィスは、まるでテーマパークのようなオフィスです。
100本もの植物がとりまくジャングルラウンジでは、世界中から集まるエンジニアの集中力を高めています。
また、階段の代わりにらせん状のスライダーや、フィットネスルーム、ライブハウスなど、いたるところに遊び心があふれています。
仕事に真剣に向き合うことも重要ですが、それ以上に遊び心が生産性を高め、成果につながるという思想が反映されています。
このスイスオフィスのデザインは、その後世界各地のGoogleオフィスにも展開されており、その効果の高さが伺えます。
Amazon(アメリカ・シアトル)
「Amazon Spheres」は、ワシントン州シアトルにあるAmazon本社の一部です。
メディアからは、AmazonのCEOのジェフ・ベゾスにちなんで “Bezos’ balls”(ベゾスの球)という愛称で呼ばれています。
3階〜4階建ての球体には、4万本の植物が植えられているほか、従業員のラウンジやワークスペースがあります。
「温室」と聞くと蒸し暑そうなイメージがありますが、室温は22℃、湿度は60%に保たれており、植物が生育しつつも不快な環境にならないよう配慮されています。
クリエイティブな発想を生み出すためにバイオフィリックデザインが設計の根底にあり、他の企業からも多くの関心が寄せられています。
JOANY(アメリカ)
アメリカ・ロサンゼルスに本社を構えるヘルスケア大手JOANY(ジョアン)株式会社。
こちらオフィスでも、バイオフィリックデザインが取り入れられています。
球体の部屋は「Growroom」と呼ばれており、中のベンチでくつろぐことができます。
他にもJOANYのオフィスでは、廊下の壁を壁面緑化したり瞑想部屋を用意するなど、常に忙しく働く社員のためにさまざま工夫をしています。
It’s informov(ブラジル)
ブラジルのサンパウロにある設計会社It’s informov。
こちらのオフィスでも、バイオフィリックデザインが施されています。
ウッドを基調としたインテリアをはじめ、天井から垂れ下がるエアプランツや壁面緑化など、あらゆる場所でグリーンが取り入れられています。
It’s informovは、オフィスだけでなく、劇場、がんセンター、レストランなどさまざまな空間の設計に携わっています。
日本でも有名な動画配信サービス「DAZN」のオフィスも、It’s informovによって手掛けられています。
DAZNのオフィスも緑が多く、会議テーブルに卓上植物を置くなど、先進的な施工がされていますね。
Second Home Lisboa(ポルトガル)
Socond Home Lisboaは、世界中の企業家が集まるポルトガルのコワーキングスペースです。
夜になると屋根が自動的に開いて冷たい空気を取り込み、日の出前に閉じて空気を閉じ込めることで、日中の暑さを軽減します。
床下には冷水と温水を流すパイプがあり、季節に応じて部屋の温度が調節され、二酸化炭素排出量を大幅に削減しています。
「自然が私たちの生活をいかに豊かにしてくれるかは、科学が証明しています。だからこそ、私たちの建物はこのような姿をしているのです。」
そう語るのは、設計を行った建築家のSelgas Cano氏とEstudio Cano Lasso氏。
両名ともバイオフィリックデザインの最先端を行く建築家です。
バイオフィリアを取り入れた建築
オフィスだけでなく、ホテルや住宅などの建築でもバイオフィリックデザインは導入されています。
バイオフィリアの概念を取り入れた建築事例はこちらの記事にまとめました。
バイオフィリックデザインとコロナの影響
2020年に起きた新型コロナウイルスによる影響は、個人の生活環境や思考の変化だけでなく企業にも大きな変化をもたらし、オフィスのあり方を見直すきっかけになりました。
コロナ以前から、働き方改革によって従業員の健康や生産性への意識は高まっていましたが、コロナの感染拡大によってその動きがさらに加速します。
テレワークの導入によって一人で作業する執務スペースが不要になっていく一方、複数人でディスカッションやコミュニケーションするスペースの重要性がより増してきました。
ミーティングスペースをクリエイティブな発想が出やすくリラックスした空間にするために、新オフィスへの移転をきっかけにバイオフィリックデザインを導入する企業も増えています。
オフィスにバイオフィリックデザインを取り入れる際の注意点
空間の目的に合わせて植物を配置
オフィスにバイオフィリックデザインを取り入れる方法として、観葉植物の設置があります。
植物を置く際は、空間の目的に合わせたデザインとレイアウトが重要です。
例えば、一人で行うデスク作業では、集中できる空間づくりが必要です。
植物が自然と視界に入るような位置に配置することで、目の疲労を低減し集中力を高めます。
複数人でのアイデア出しを行うミーティングスペースでは、創造性が求められます。
植物をたくさん置いて視界に入る緑の量を増やすことで、創造性が刺激され、より柔軟な発想が生まれやすくなります。
このように空間の利用目的に応じて植物に役割や機能を与え配置することで、より効果的に植物を空間に取り入れることができます。
定期的なメンテナンスが必要
観葉植物は定期的なメンテナンスが必要です。
水やりはもちろんのこと、葉の洗浄や剪定、健康状態に応じたケアを行います。実際に導入する前に、だれが行うか、どのくらいのランニングコストがかかるのかを検討するとよいでしょう。
専門業者にすべて依頼するのも良いですが、簡単な作業は従業員が担当するのもおすすめです。仕事の合間に植物のお世話をすることで、気分がリフレッシュしたり、仕事の疲れを癒す効果があります。
ご相談・お問い合わせ
「社員のモチベーションを高めたい」
「社外へポジティブな企業イメージを与えたい」
「クリエイティブでコミュニケーションが活性化される空間にしたい」
「居心地がよく仕事がはかどるオフィスにしたい」
ヒキダシ|GREEN COMPANYは、そのようなご希望をバイオフィリックデザインを駆使して実現致します。
たとえば会社の顔となるエントランスには、パッと目を引くインパクトのあるサイズ感の植物を配置。
入ってすぐに目に入るグリーンは来客にポジティブな企業イメージを伝えるだけでなく、毎日出社する従業員の気持ちもリフレッシュします。
一人で集中して執務を行う作業スペースでは、植物をさりげなく視界に入るように配置。
自然と目に入る緑は集中を促進し、疲労を軽減するため作業効率が上がります。
一人、または二人で執務を行うフリースペースでは、隣席との間に植物を配置。
適度な距離感に置かれた植物はパーソナルスペースを確保するだけでなく、無機質なパーテーションよりも閉塞感が出ません。
アイデア出しなど創造力を刺激したいミーティングスペースでは、ディスカッションが盛り上がるような空間を。
さまざまな種類の植物が適度に配置されることで、創造力を刺激します。
また、吊るした植物で囲い緩やかに個室空間を作り出すことで、適度なプライバシーを確保します。
休憩したり、雑談したり、心地よい時間を過ごしたいリフレッシュスペースではリラックスできる工夫を。
植物を多めに配置することで、執務スペースとは異なる空間をつくり、自然と気分が切り替わります。
どこから見ても目に入る緑は、リラックスを促進し、疲れをやさしく癒します。
このようにヒキダシ|GREEN COMPANYでは、最適なバイオフィリックデザインの導入によって、オフィスの課題解決をサポート致します。
大手内装デザイン業界で設計からインテリアデザインまで手がけてきたスタッフが、ヒアリングから対応いたしますので、ご相談はお気軽にお問い合わせください。